• 合同会社たいが

広告作成会社さま

制作する広告の品質向上と、リードタイム改善、および、社内情報セキュリティの強化に取り組み達成した、広告作成会社様の事例です。



◆お客さまの背景と課題

広告作成を生業とするお客さまは、正社員は少ないものの、カメラマンやデザイナー、クリエイターなど協力会社様が多く、社内だけでも70名ほどのメンバーがいらっしゃいました。


広告作成にあたっては、これら協力会社の皆さまと協働して進めていく必要があります。

しかし、広告作成に必要な情報---キャンペーン情報・価格情報・商品等の画像・キャッチコピーなど---が紛失/錯綜したり、情報伝達・連絡も不正確、タイムリーに担当者に伝わらなかったりすることがあり、そのため、制作物のミスや、それに伴うスケジュールの遅延などが発生、それによる広告主からのクレームもたびたびありました。


また、同時に、広告主からの厳しい情報守秘の要求などがあり、この要求にも取り組む必要がありました。


目標(解決の方向性)

  1. 広告制作に関する情報を一元管理し、品質低下の一因となっているデータの紛失・錯綜を減らす。また、社員・協力会社メンバーが制作進捗や課題を共有することで、品質向上とともに、制作工程の円滑化、リードタイム改善を目指す。

  2. 正社員だけでなく、派遣社員、協力会社のメンバー含めた、社内の情報セキュリティ管理を向上させる。


解決施策

1. 広告情報を管理・共有する基盤の導入

  1. 本社・協力会社拠点・外出先などから皆がアクセスできる、クラウドのオンラインストレージを導入し、広告制作に必要なデータはすべて、クラウド上で一元管理する仕組みを導入。また、バージョン管理(版管理)機能を活用し「何が最新のデータか?」もわかるようにした。

  2. チーム間の重要な伝達・連絡事項は、記録に残らない電話含む口頭、紙などでのやりとりを廃止するため、オンラインストレージと連携できるチャットツールを導入。重要な伝達・連絡事項は、全てこのチャットツールで行うようにした。

  3. チーム単位で、制作の進捗状況や課題を見える化する管理情報ファイルをオンラインストレージ上に制定・作成し、これら情報を担当チーム全員で共有できるようにした。


2. 情報セキュリティマネジメントの導入

  1. 情報セキュリティポリシーとガイドライン、およびセキュリティ遵守ルールを策定。同時に、これらに基づき、入退室管理やIT資産管理システム、ファイアーウォール、メール誤送信防止システムを導入。

  2. 広告主に関わる機密情報、および自社の機密情報の保管のため、自社内にファイルサーバを構築し、ここで管理した。

  3. 自社内に認証/認可基盤(Active Directory)を導入し、アカウント、社内システムおよびファイルサーバのアクセス管理を実施した。


◆成果

1. 制作物の品質向上と制作リードタイム改善

データのオンラインストレージへの一元管理・バージョン管理により、データの紛失・錯綜が激減しました。

また、コミュニケーションを原則、チャットで行うこととしたことにより、伝達・連絡事項の漏れ・抜け・勘違いなどが減少し、制作上のミスが削減され、制作物の品質が向上しました。


加えて、進捗・課題を見える化し担当チーム間で共有したことは、チーム全員で問題解決に取り組む文化が生まれ、ミスの削減と相まって制作工程も円滑化しました。その結果、スケジュール遅延は激減し、リードタイム改善が達成できるようになりました。


2. 情報セキュリティの高度化を達成

情報セキュリティマネジメントに取り組んだ結果、本社でISMS認証を取得し、広告主などからの評価を得ました。

また、認証/認可基盤を用い、立場や職位などによる「アクセスできる情報の違い」を実現することで、情報漏洩対策を講ずることができました。


弊社のご支援内容

  1. 社員、ISMSコンサルタントと協働した、セキュリティポリシー・ガイドライン・各種ルールなどの作成支援

  2. 導入システムに関し、要求の取りまとめと業者への見積依頼(RFP)作成と選定の支援。また、選定後の要件定義と、システム導入の管理(プロジェクト管理)の支援。

  3. オンラインストレージ・チャットツールへの導入プランを策定し、これを実施。具体的には、まずは試用版を使い、少数チームで試験的に導入、そこで出た課題を整理、対応したうえで、順次展開し、最終的には全チームに適用を拡大。この間、発生した課題に対応しつつ、新しい業務マニュアル・システム操作マニュアル・進捗・課題管理のための管理表の制定・作成と、これを定着させるための諸作業を遂行し支援。


成功のカギ

1. 社長の改善への強い意志と実行力

最も難易度が高かったのは「広告情報を管理・共有する基盤の導入」プロジェクトです。

これは、自社だけでなく多くの協力会社さまにも、これまでの仕事のやり方を変えることを要求することでしたので、関係各社さまに、改善の目的を理解して頂き、この改善活動に参加・協力して頂くことが、一番のカギでした。


協力会社さまへの説明や調整を率先されたのは社長様でした。

もちろん、弊社もそのための説明資料作成や同席等でご支援させて頂きましたが、やはり社長様の強い意志を示すプレゼンテーションと説得がなければ、協力を取り付けることはできなかったと考えます。


2. 協力会社さまのご協力

次に、これなくしても改善は成功しませんでした。

弊社は「プロジェクト支援」の名の下、各チームのリーダーの方に、制作の進捗状況や課題の確認などを行いましたが、確認を受けるチームリーダーの方にとっては「うるさい存在」です。また、弊社はコンサルタントだったため、他の会社さまと役割は異なりますが、それでも、ひとつの小さな協力会社であることに変わりはありません。


そんな中でも、各チームのリーダーの方は、私たちに対し協力的でした。これが、改善が定着した成功の第二のカギです。


3. 社員の方のご協力

情報セキュリティ強化については、社員の皆さまのご協力に負うところが大です。

これまで明確なルールなどがなかったところへの突然のセキュリティルールの制定と遵守命令は、正直、面倒な話だったと思います。しかし、遵守の重要性を理解して頂き、スムーズな情報セキュリティマネジメントの定着、そしてISMS取得を達成できたのは、社員の皆さまのおかげです。


現在のお取組み

現在は、導入したオンラインストレージ・チャットツールのOffice365(後述)への切替、および、その後増えたクラウドサービスの認証/認可を効率化するためのシングルサインオンの導入( IDaaS基盤)を検討されています。